ナースコールでトイレへ
あ~、なんだかよく眠った
こんなに眠ったのは何年ぶりだろう
それにしてもひどい夢を見た
脳出血で病院に担ぎ込まれる夢を見るなんて・・・

ベッドの中ですこし痒い頭に手をやろうとすると
あれっ?手が頭に届かない???
頭に手をやろうとした左手が動いていない・・・

ゆっくり目を開けるとそこの景色はいつもの自分の部屋ではなく
周りをカーテンで仕切られた病室でした
改めて「現実だったんだ」と思い知り、ため息をつく。

集中治療室で運が付いてきたのか?


トイレに行きたくなりオレンジ色のナースコールのボタンを押す
しばらくすると看護婦さん二人が車椅子を準備してくれました
車椅子に乗せてもらいトイレへ。
この時尿道に差し込まれた管も抜いてもらう
「痛っ」
でも管を外してもらって痛みより開放感のほうが強い。
車椅子から便器へは自分の力だけで移れそうだったので
頑張って一人で移動する
今頼りになるのは麻痺をしていない右手と右足だけだ。

パジャマのズボンを下へずらし
片手で紙おむつのマジックテープを剥がすと
そこには・・・
そこには未だかつて見たこともない
いえ見覚えのある💩がくっついていたのです
もう60歳が見えてくるってのにこのザマです

・・・しばらく固まる・・・

突然小学校の頃、授業中に我慢できずに漏らした男の子のことを突然思い出します
後ろ手にお尻を押さえたまま便所に走る彼の姿を見て
みんなと一緒になって笑ったりして悪いことしたな~
ごめんな。S君!
君の場合は一生懸命我慢をして我慢できなかった訳だが
私の場合は、無意識だったよ~。


尿道の管を外したばかりなのでオシッコが出そうで出ません
空気が一緒に混じって出てくるのでスッキリ感がまるでない。

外したおむつを汚物入れの箱に入れて、動く方の片手でパジャマのズボンを引っ張り上げ
再び車椅子に乗り込みナースコールをして看護婦さんに部屋まで連れて帰ってもらう

なんと眠れる胃が目を覚ます


トイレから戻ってベッドでぼーっとしていると
看護婦さんが何かを持ってきてくれた
どうも食べ物のようです。
それはとても少量のゼリー。

普段でしたら「ゼリー?いらないよ」って言うところですが
病院に担ぎ込まれてからというもの
何も口にしてないので黙って静かに頂く。
看護婦さんがプラスチック製のスプーンで口にまで運んでくれる
少し恐縮しながら口にし、「ゴクッ」と飲み込む
「ウマイ!」

スプーンで口まで「あ~ん」して貰うってのは
新婚以来です。

これからも毎食、看護婦さんがスプーンで食べさせてくれるのかと思うと
脳卒中も吹っ飛んでしまいそうです
いえ、このままずっと病院生活のままが良いです
(そんな事あるかぃ!)

聞くと脳卒中患者が気管に入ったりむせたりせずに
再び食事ができるかどうか確認するための少量ゼリーだったようです。

どうも眠れる獅子を起こしてしまったようです
私の胃が「グギューッ」と唸りを上げ続けています

これでようやく食事にありつけるかと思うとワクワクします。

看護婦さんがゼリーを片付けていた時、そのスプーンを落としてしまったのですが
その時、左手がかすかに反応していました
「アレッ?少し動いたような気がしたぞ いや気のせいかも?」


ある意味運は付いてきたのか?
いや、ウンが付いていた・・・だけなのか?


                  明日はどっちだ!